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 私の名前は阪上雪弥。男みたいな名前だとよく言われる。つまり、女だ。

 そもそもの始まりについては0夜で述べたので、改めては語らない。
 よくわからない機関とやらに白羽の矢をたてられて以来、色々な世界に飛ばされてきた。その色々について、詳細を改めて語る機会があるかわからないので、かい摘んで話してみようと思う。


 最初に飛ばされた先は、一見これまでと変わらない日本。
 中学生に逆戻りしているのと居住地が珠閒瑠市なんて場所でなければ、おかしな夢を見ただけだと思うところだ。

 世間をセベクスキャンダルなんて事件が賑わせたのはその中学在学中のこと。
 始まりがマヨナカTVなのに、ペルソナ4じゃなくて初代とか罪罰の世界かよ! と空に向かって突っ込んだことは今でもよく覚えている。
 中学のクラスメイトの付き合いと、戦えないとのっけからろくなことにならないと悟っていた私は、ペルソナ様遊びをしっかりこなしてアクマとの遭遇に備えた。

 私のポジションはゆっきーとかうららとかみたいな、仮面党的には部外者のペルソナ使い。
 もそっと具体的に言えば、主人公(「たっちゃん」じゃなくて「しぃくん」。茜淳士が彼の名だ)のクラスメイトで、セブンスのエンブレム事件で協力しあった成り行きで、メインストーリーにガッツリ噛むことになった。

 しぃくんには隣のクラスにみぃちゃん──茜温海という双子の妹がいて、だから、彼が所謂主人公だって解ったのもエンブレム事件が起きてから。同じ時期にペルソナ使いとしてパーティに加わったみぃちゃんは、摩耶さんに並ぶヒロインとして事件に関わっていった。
 何しろギンコと並ぶミスセブンス候補、兄弟はブラコンでシスコンのハーレム漫画かギャルゲーで出てきそうな相思相愛関係。不良とかなんとか怖れられてるしぃくんに対し、運動部の部長で先生方の覚えもめでたいよな完璧少女がみぃちゃんだった。
 まぁ仮面党ごっこの一員だった彼女は彼女で、完璧な女の子の仮面を被らなきゃいけない苦しみがあった訳なんだけどね。
 彼女が居てくれたお陰で、私は却って気兼ねなくパーティに参加することができた。

 そうそう、私の武器はしぃくんと同じく片手剣にしておいた。ほら、魔法「剣士」だし。

 初期ペルソナはまさかのヒーホー君で、他の皆みたいにカッコいい「我は汝、汝は我」みたいなシリアス召喚シーンは一度たりとて巡ってこなかった。みぃちゃんなんて蔡文姫とかムネモシネとかちゃんと固有ペルソナらしい特別なペルソナだったのにな。ちぇ。

 それでも合体技出しまくって噂システム駆使しまくって、変異に変異を重ねたウチのジャックフロストは規格外の高パラメータに成長した。私のレベルアップよりもペルソナの変異回数の方が早くて多かった、と言えばヒーホー君の異様さが分かりやすいだろうか。
 同じだけ戦ってもレベルがなかなか上がらない私が主力メンバーたれたのは、結局ヒーホー君のステータスによる底上げのお陰だった。

 この変異フロストが、私の固有ペルソナとなった。

 ちなみに、ペルソナの使用にレベルアップがおっつかなくて、私はパーティのチューインソウル使用率ナンバーワンを誇った(誇れない)。レベルアップでSP全快って、現実に起こるとなんか理不尽。いじけてたらユキノさんから、ジャックフロストがこんなん成長するなんてそっちの方が納得いかない、と言われた。納得した。

 しかし。

 いくらパーティメンバー和気藹々仲良くやろうとも、舞台はペルソナ2なのだ。
 しかも、罪の方。
 あれをハッピーエンドに導く方法があるなら誰か教えてほしい。

 用意周到なニャル様に私やみぃちゃんがいたくらいで太刀打ちできることもなく、ほぼゲーム通りの流れで地球は滅ぼされた。

 フィレモンとの話のあと、罰の世界に移行してく皆には同調できず、私はその世界からリタイアした。みぃちゃんは何となく、私の決断に気付いてた気がする。「またね」でも「向こうの世界で」でもなく、「サヨナラ」って、泣き笑い。それが最後に見たみぃちゃんの顔。

 出会いをなかったことにした皆と、その世界で足掻くことを選ばず他の世界に居なくなる私は結局大差ないことぐらい、フィレモンに指摘されなくても解っていた。

 気が付くと私は、いつかのマヨナカTVのロビーに佇んでいた。

『一つだけヒントを差し上げましょう。
 流れに乗るだけでは余り良いことはありませんよ』

「は?」
『それでは、次の世界にお送りします』
「は、ちょっと待て……よ!!」

 言い切る前に、強制転送。
 潮風が、間の抜けた声を拐った。

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