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「ウェルカム! ようこそ夢の世界へハッピーハロウィーン!!」

 突然茅紗の目の前に現れたのは、どこか見覚えのある丸耳カチューシャをつけた、性別不詳の人物だった。

「お客さん達運がイイネ☆ 二泊三日のスペシャルイベントに大当選しちゃうんだからさ!
 費用は当社負担、お客さんはたっぷり楽しんで旅の終わりに簡単なアンケートに答えてくれればそれでOK!
 すっごくお得デショ?
 あ、でもでも各アトラクションの優待とかは入ってないから人気の奴は自力で並んでナ☆」

 勝手に捲し立てられ、困惑して辺りを見回す。
 茅紗の周囲は何もなく薄暗いがらんどうの空間。茅紗とカチューシャの他にいるのは、警戒の表情で相手を伺うヘンゼルばかり。カチューシャがぱちんと指を鳴らすと、二人の正面──つまりカチューシャの背後に、茅紗にとっては見覚えのある建造物や風景が浮かび上がってきた。

 彼女がそれを見るのはいつ以来だろうか──そもそも、異世界に来てしまった以上再びお目に掛かる日が来るとは思っていなかった。
 懐かしさが茅紗の心を揺さぶる。それはヘンゼルにも伝わったようで、カチューシャを不審げに睨みながらも彼は茅紗を気にしている。

 ヘンゼルは無言で茅紗の腕を掴んだ。

「え? 帰る気? ダメダメ。帰さないヨ。だいたい何処から帰るつもり? ほら、出入り口なんて後ろのどこにも見当たらないデショ?」
 カチューシャの言うとおり、どこにも出口らしいものは見当たらない。
 ヘンゼルは横目にそれを確かめるとチッと舌打ちして眉間に皺を寄せた。
 カチューシャはヘンゼルの殺気など気にした様子もなく、
「連絡用のケータイはっと……」
パチンっと再び指を鳴らすと、茅紗達の目の前にそれぞれ二つ折りタイプの携帯電話が降ってわいた。
 反射的に掴み取り、茅紗はその画面を開いてみる。二つ折りだが、ガラケーにしてはやたらと鮮明で繊細な描画表示。ホーム画面からOSは特定できず、MicroSDのロゴはあるがカードスロットが何処にあるのか、充電プラグの差込口なども見当たらないのが茅紗の知っている携帯電話と違っているところだ。

「操作方法はカノジョの方が良くわかってるカナ?
 写メったデータカードは最終日にちゃんと進呈するから、沢山撮って思い出残してネ~」

 携帯にはインカメラもアウトカメラも備わっていた。
 茅紗は勘でアドレス帳を開く──登録番号は3件のみ。一つはヘンゼル、それから知らない女性の名前と、彼女には偽名としか思えない──

「あ、そうそう! もう一組の当選者にも紹介しなきゃだネ!」
 そこでカチューシャは手を叩いた。

 するとカチューシャがもう一人──最初のカチューシャの隣に出現する。こちらも性別不詳。体格も先のカチューシャと大差ない。更に茅紗達のすぐ傍にも微妙な表情をした男女が姿を現した。
 何処からかやってきたというよりは、それまでもそこに存在した者が覆いを除かれて認識できるようになったというのが正しいだろうか。相手の側からすれば、茅紗の方が突然に現れたように見えたことだろう。
 そして茅紗は、携帯に登録された名前が偽名ではないことを理解した。

「「じゃあ、閉園時間になったら迎えを寄越すから、それまでごゆっくり~!」」
 茅紗が目の合った女性とへらり、愛想笑いを交わし合っている間に、カチューシャ二人はにこやかに手を振って姿を消していた。

 代わりに、四人の目の前にはテーマパークへと通じるゲート。
 各々の手には携帯電話と、人気キャラクターがプリントされたパスポートチケットが残されていた。

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「うわっちょっとマジ?!」
「は?!」
 その声はほぼ同時に上がった。
 発言者達はそれぞれ目の前の画面を凝視して顔を引き攣らせている。
「なん……で、あんな企画が通るわけ?!」
「こっちがききてぇ……まあ、ヒトサン達ん所が最近頑張ってるからなぁ」
「うちらもそれなりに仕事しろって? こっちは楽な観察任務だと思ってたのに」
「まぁったく怠いよなぁ」
「テーマパークなんてむしろ自分行きたくて出してみただけだったのに」
「じゃ、現地行く?」
「冗談。モニタされながら何楽しめっての」
「だーよなぁ」
「さ、選ぼ、えらぼ。憐れなぁ仔羊ちゃん、誰かなぁ?」
「何だそりゃ?」
「いや、時期的に雰囲気で?」
「あはははは。さ。選ぼ、えらぼ」
「して、どうやって選ぶん?」
「そうだなぁ……じゃ、これで」
 これ、と言いながらダーツを投げるジェスチャー。
「よぅし。白羽の矢、立てちゃうゾ!」
「ヤケクソだな」
「無理やりテンション上げないとやってられないっての!」

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 ギャンブルがやめないパターン
 ヒロインはジル。遺失物管理係なのは変わらず。
 ギャンブルと共通の話題を得るために、「預かりものを適切に取り扱うため」という理由をつけて様々な銃器の扱い方を学んだ。射撃の腕も鍛えている。
 ギャンブルとの付き合いにより荒事にも慣れてしまっているが、自分がSWATになることは考えてもみなかった。
 ロッカールームで喧嘩したギャンブルを引き留め、ストリートに平手打ちし、無理矢理仲直りさせた話は仲間内では有名。
 バディ組む関係上ギャンブルだけ追加すると数が合わなくなるかなと思っていっそのことヒロインごと参加させてみることにした←

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 基本スペックはヘンゼルとトリップするネタで考えた子と一緒。
 あの茅紗がPSO2じゃなくてSWATの方にとんだパターン。つまり知識有のジェレミーファン。

 数年前小型機の持ち主夫妻(セジャーストームて読むのかな?)に保護され、大使館に照会しても身元不明とのことで彼らの養子になっていた。
 身元不明のほか、それほど喋れない筈の英語に不自由がなくなって他の言語も理解できる現状から、おかしな状況におかれているのは理解している。身元不明扱いにショックを受けて自失する彼女を憐れんで夫妻は茅紗を養子にした。
※多言語は文法や構造がわかるわけではなく、ただ意味を理解するだけ。どちらというと感応能力に近い。ほんやくこんにゃくを食べても文法構造の理解まではできないということで。
 学問的探究はさておき、通訳として考えれば重宝する彼女の才能に気付いてからは、将来有望とますます可愛がるようになった。
 夫妻の家で過ごす間にTVでストリートやギャンブルの対処した事件のニュースも見ているが、アメリカだし。の一言で片付けている。
 事件の時も、多国籍な参加者の集まるパーティへ出席するため茅紗も小型機に同乗した。いつものマイクがいない辺りから嫌な予感がし、橋に向けて降下しだしたことでもしや、と気づく。

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ジル・クランベリー
 遺失物管理係か何かの内勤。配属当初はこんなおとなしいお嬢さんで務まるのか? と言われるくらいお行儀のよいお嬢さん然としててフーラーのお気に入りだったが、数年でワイルドベリィ(WB)と呼ばれるじゃじゃ馬扱いに。
 フーラーからは同期のギャンブルの悪影響のひとつと眉を顰められている。ギャンブルの回りにいるために逞しくなったのは確か。ただしお行儀のよいお嬢さんは単なる猫かぶり。
「あたしをスイートベリィって呼んで良いのはブライアンだけなんだよ」
って調子に乗った酔っ払いをピンヒールサンダルで蹴り飛ばすジルさん。
 ギャンブルさん大好き。ギャンブルさんに負けず劣らず型破り。でも仕事は一応ちゃんとする。
 ギャンブルさんにとっては遊び仲間の一人→ストリートとの関係を邪推した結果独占欲が生まれる
 ストリートは普通に友達と思ってるだけでやましさはない、多分。

という設定の素の断片。↓↓↓

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